千年の金箔まみれのほとけさん
いつも修理にくる方から金箔と共に金銅仏がもちこまれた。この金箔を使ってほとけさんを変身させてくれとのことだった。出来なくもないが細部のことを考えると筒蒔きしか手がないかと思いつつ結局引き受けてしまった。
看板の仕事を何度かやったことがあったが、その時はまだ箔をそのまま貼り付けていけたが今回は細部まで金箔が入り込むことを考えると蒔きを選択した。電灯下での仕事は何日がかりで漆の乾かしを繰り返して仕事を進めていったが表の外光で見ると金箔の厚みの関係かやはり透けこむ。
たしか金閣寺の時の金箔は5枚掛けだったと聞いたが、、、、。なんとかもうちょっとむっくりした感覚がほしく、少し粗めの箔で回数を重ね、外光の変化が違わないようにもっていった。半年ほどするとどちらにしろ漆の変化に伴って元々輝きを増すはずなのだが、仕上がり段階である程度のインパクトがあったほうがいいとの判断だった。引き受ける方もまさかこんなモノまでやるとは思いもよらなかったが、考えついて持ち込んだ方にぶがある。全くもって鍛えられてる。金箔を施す前はそれほどないも思わなかったが金箔を施しかけると存在感が増していった。何度か仕事中にのぞきに来られたが手渡して出来る段階ではなかった。
それから数日経ってある朝に依頼者に電話をして取りに来てもらうことになったが、外はあいにくの土砂降りの雨になった。その時だった。ゴロゴロとなったと思ったら、ドシャン!!と近くで雷が落ちた。金箔まみれのほとけさんが仕上がって、今から手渡すというときになんとタイミングの良い、、。土砂降りの雨も午後には上がったが、雷はその1回だけだった。これから何が起こるか起こらないかタイミングのいい出来事だった。


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